
WordPressは狙われやすい——だからこそ基本のセキュリティ対策が必須
世界のWebサイトの約43%がWordPressで構築されていると言われています。
この圧倒的なシェアは「使いやすさ」と「拡張性」の裏返しでもありますが、同時に攻撃者にとって最も効率の良い標的であることも意味します。
「小規模なブログだから大丈夫」「知名度が低いから狙われない」——そう考えるのは危険です。実際には、無差別に仕掛けられるブルートフォース攻撃やマルウェア感染の被害は、むしろ更新が滞った小規模サイトに集中しています。
この記事では、WordPressを安全に運用するための基本的なセキュリティ対策4本柱を、実際の設定画面イメージとともに解説します。
なぜWordPressサイトは攻撃されやすいのか
世界シェア43%超という「規模のリスク」
WordPressはCMS市場で6割以上のシェアを持ちます。攻撃者にとっては「WordPressを狙えば世界中のサイトに効く」という構図があり、脆弱性が見つかれば一斉に攻撃が仕掛けられます。
小規模サイトも例外ではない攻撃の実態
攻撃の多くは自動化されたボットによるものです。標的は「有名サイト」ではなく「更新が止まっているサイト」「初期設定のまま放置されたサイト」。つまり、規模や知名度に関係なく狙われるのが現実です。
更新放置が最大の弱点になる理由
WordPress本体やプラグインは頻繁にアップデートされますが、その多くはセキュリティ修正を含みます。更新を怠ると、既知の脆弱性を突かれて改ざんや情報漏洩につながるリスクが一気に高まります。
基本のセキュリティ対策4本柱
二段階認証(2FA)でログインを守る
パスワードだけに頼るのは危険です。Google AuthenticatorやAuthyなどのアプリを使ったTOTP方式の二段階認証を導入すれば、仮にパスワードが漏洩しても不正ログインを防げます。
ログイン試行回数制限でブルートフォース攻撃を防ぐ
「Limit Login Attempts Reloaded」などのプラグインを使えば、一定回数のログイン失敗でアカウントを一時ロックできます。これにより、総当たり攻撃を実質的に無効化できます。
自動アップデートで脆弱性を放置しない
WordPress本体やプラグインの更新通知を見て「後でやろう」と放置してしまうのは、最も危険な習慣のひとつです。
- プラグインの自動更新を有効化すれば、更新忘れによるリスクを大幅に減らせます。
- 特に利用頻度の高いプラグイン(フォーム、SEO、セキュリティ系)は攻撃対象になりやすいため、自動更新を推奨します。
- ただし、テーマや一部のプラグインは更新によってデザイン崩れが起きる場合もあるため、ステージング環境での検証を挟むのが理想です。
バックアップ自動化で「最悪の事態」に備える
どれだけ対策をしても、攻撃や障害をゼロにすることは不可能です。だからこそ、バックアップの自動化が最後の砦になります。
- UpdraftPlusなどのプラグインを使えば、ファイルとデータベースを定期的にクラウド(Google DriveやDropboxなど)へ保存可能。
- 「毎週バックアップ+直近は即時バックアップ」という二重体制を組むと安心感が増します。
- 復旧テストを実際に行っておくことで、「バックアップはあるが戻せない」という事態を防げます。
よくあるNG設定とそのリスク
- 「admin」固定ユーザー名 → 攻撃者にとって最初に試す標的。
- 脆弱なパスワード(123456など) → 数秒で突破される。
- 更新放置 → 公開済みの脆弱性を突かれて改ざん・マルウェア感染。
これらはすべて「やってはいけない基本例」として、OK設定と対比させると読者に強い印象を与えられます。
まとめ——「小さなサイトだから大丈夫」は通用しない
WordPressは世界中で使われているからこそ、攻撃者にとって最も効率の良い標的です。
二段階認証・ログイン制限・自動アップデート・バックアップ自動化という4本柱を揃えることが、最低限の防御ラインになります。
「自分のサイトは小さいから大丈夫」という油断こそが最大のリスク。
今日からできる設定を一つずつ実行し、“狙われる前に守る”姿勢を徹底しましょう。
Wordpress サイト構築・管理 プラグインとテーマの試行錯誤